魚探の取付・トラブル対策
魚群探知機 ~ レーダー | お役立情報 - (株)ナビテック
- 魚群探知機の取付方、トラブルの解決方法を説明します。
- 魚群探知機はその取付場所や取付方法により性能や寿命が変わります。
- 安全でしかも最大の性能を発揮させるためには注意が必要です。
- 一般的な小型船舶に魚群探知機を取付する場合の方法や、注意事項について説明します。
魚探の 取付前の準備
- 商品の梱包内容を確認しましょう!
- メーカーや製品により、取付用のネジ(ステンレス製)など付属している場合がありますので、取付前に梱包内容を確認しましょう。
- メーカーや製品により、取付用のネジ(ステンレス製)など付属している場合がありますので、取付前に梱包内容を確認しましょう。
- 船を下見して必要な作業工具や部品を揃えましょう!
- 特殊工具などは特に必要ありません。(ホームセンターでほとんど販売しています)
- 特殊工具などは特に必要ありません。(ホームセンターでほとんど販売しています)
- 工事する場所に100Vの電源が有るかを確認しましょう!
- 電動工具がバッテリー式では無い場合、100Vの電源が必要になります。
- 状況により延長ケーブルが必要になります。
- 必要な工具
- 【一般的な工具】(サンダー・電動ドライバー・電動ドリルなどがあれば便利です)
- FRPに穴を開ける場合、電動ドリルが必要です。
- サンダーは、振動子をインナーハルで取付る場合、必要になります。
- 大きな穴を開ける場合、ホルソーが必要です。
- インダッシュ取付の場合、ジグソーが必要になります。
- 【一般的な工具】(サンダー・電動ドライバー・電動ドリルなどがあれば便利です)
- 必要な部品
- 【シリコーンシーラント】
- 各所防水、振動子を船底に貼り付ける場合、インナーハル取付の場合に使用します。
- 各所防水、振動子を船底に貼り付ける場合、インナーハル取付の場合に使用します。
- 【結束バンド・配線クランプ(耐候性)】
- 配線をするために必要です。
- 長さ、太さは色々ありますが、必ず耐候性の物を使用してください。
※耐候性でない物を使用した場合、年月が経つと劣化してボロボロになります。
- 【赤黒(白黒)電線】
- 商品に付属している電源コードの長さが足りない場合に必要です。
※必ず商品に付属している電源コード以上の太さを使用してください。
- 商品に付属している電源コードの長さが足りない場合に必要です。
- 【ネジ/ビス・ボルト/・ナット・ワッシャー等】
- 本体スタンドを取付る時などに使用します。
- 必ずステンレス製を使用してください。
- 【その他】
- 穴埋め用粘土(大きな穴を開けた場合に使用します)
- ビニールテープ(防水処理、ケーブルの保護に使用します)
- ビニール袋(振動子の取付場所を決める時に使用します)
- 真水(振動子の取付場所を決める時/インナーハルの液の補充)
- 接続端子(電源コードの長さが足りない場合に使用します)
- 配線ガイド(配線時、線を通す時に使用します)
- 半田ゴテ、半田
(配線時プラグが穴を通らない場合に、やむをえずケーブルをカットした場合に使用します。ガス式が便利です)
- 【シリコーンシーラント】
本体の取付
- 雨やしぶきが直接かからない場所に設置してください!
- ほとんどの国産魚探は防滴構造です(防水ではありません)。
- 本体裏面やコネクターが金属製の場合、腐食の問題があります。
- キャビンが無い船舶で、水しぶきがかかる場合は、魚探BOXなどを使用してください。
- 画面に直射日光が当たらない工夫をしてください!
- 液晶は直射日光に弱いため寿命を縮めます。
- 係留中、液晶面に直射日光が当たると液晶が劣化し、コントラストが激減します。少なくとも厚手の毛布などで覆いましょう。
※【毛布などで覆う】は、外から機械が見えないため、防犯上にも有効です。
- 熱に気をつけてください!
- 係留中、室内があまりにも高温になる場合は注意が必要です。
- 出来ればソーラーベンチレーターを天井に付け、高温対策をしてください。
本体の取付方法
- 【付属のスタンド(架台)を使用して取付る場合】
- ①商品に付属しているスタンド(架台)を5mm~6mm程度のタッピングネジかボルトで止めます。
- ②取付たスタンド(架台)に、付属しているノブボルトで本体をしっかり固定してください。
- ①商品に付属しているスタンド(架台)を5mm~6mm程度のタッピングネジかボルトで止めます。
- 【インダッシュで取付る場合】
- ①本体裏面が入るスペースをジグソーなどで穴を開けます。
※製品により、本体の原寸サイズが印刷された用紙が付属しますので、それを当てがいながら穴を開けてください。
- ②穴を開けた所に本体をはめ込みます。
- ③本体を固定しますが、メーカー、製品により固定方法がさまざまです。
- オプションパーツで専用インダッシュ金具が用意されているタイプ
●別途インダッシュ金具を購入する必要があります。
- 本体にインダッシュ固定穴が開いているタイプ
●本体に、固定穴が開いているので簡単に取付できます。
- 上記どのタイプでもない場合
●付属のスタンドで固定したり、止め金を自作したりして固定します。
●本体の周りを、コーキングして固定します。
- オプションパーツで専用インダッシュ金具が用意されているタイプ
- ①本体裏面が入るスペースをジグソーなどで穴を開けます。
※本体の形状により、インダッシュ取付が難しい場合があります。
※GPSアンテナ内蔵モデルは、インダッシュ取付をすると測位し難くなりますので、外部アンテナを取付てください。
電源配線
- 必ずメインスイッチは切った状態で作業してください!
- 感電など重大事故につながります!
- 感電など重大事故につながります!
- 十分太い配線で接続してください!
- 本体の故障につながります。
- 本体の故障につながります。
- 複数の機器を1本の細い配線から枝分かれしない!
- 雑音、誤動作、故障の原因となります。
- 雑音、誤動作、故障の原因となります。
- 【+】【-】を正確に!
- 機械は【+】【-】の接続を間違えた時ヒユーズを飛ばすようになっています。
- 機械は【+】【-】の接続を間違えた時ヒユーズを飛ばすようになっています。
- 規定のヒューズを使用!
- バッテリー電圧の違い(12V/24V)によりヒューズ容量の指定があります、必ず規定のヒューズを入れてください。
- ヒューズが切れた場合、規定以上のヒューズを入れ再度"ON"すると、本体が故障する場合があります。
- 無線機などの線と一緒に束ねない!
- 画面に雑音が映ったり、無線機、魚探にノイズが入ることがあります。
電源コードの取付方法
- ①規定のヒューズを入れる
- ヒューズは、電源コードにある場合と、本体にある場合があります。
- ヒューズは、製品に付属しています。
- ②商品に付属している電源コードを【+】【-】を間違えずに接続してください。
- 白/黒の場合:白+/黒-
- 赤/黒の場合:赤+/黒-
- ③本体にプラグを接続してください
- ④画面確認してください
- メインスイッチを入れ、本体の電源ボタンを押し起動し、画面が出るか確認してください。
- 画面が出たら、本体の電源ボタンで切り、メインスイッチを切ってください。
振動子(センサー)の取付
振動子の取付は魚探の性能に大きく影響します!
- 次の様な場所には取付ないでください!
- 走行中、気泡が発生する場所
- 走行中、渦が発生する場所
- 走行中、船首が浮き、船底が水面より浮く場所
- 船底の厚い場所
(FRPの厚さ10mm以下) - 船の中心線上
(右舷左舷両方からFRPが重なり非常に厚くなっている) - 船底の傾斜が急な場所にシリコンで貼り付ける
- 船底が二重の場所、または補強材が入っている場所
- 船底がアルミの場合、インナーハル、シリコンでの取付方法では映りません。(お問合せください)
取付場所を決める
- 振動子の取付場所の基本
- スクリューより前方
- スクリューより後方の場合、泡や渦が発生するため魚探は映りません。
- スクリューより後方の場合、泡や渦が発生するため魚探は映りません。
- センターラインより20cm~30cm位左右どちらかへずらす
- 船のセンター部分は、FRPが厚いため映らない場合があります。
- 船のセンター部分は、FRPが厚いため映らない場合があります。
- 常に水面下にある場所
- 高速走行で船首が上がる場所では、高速走行中映らない場合があります。
- 高速走行で船首が上がる場所では、高速走行中映らない場合があります。
- スクリューより前方
振動子の取付位置の探し方(インナーハル/シリコン貼り)
- ベストな取付位置を探すには、ビニール袋に少量の水を入れその中に振動子を入れ、船底に軽く押し付け、もっとも良く映る場所を探します。
※ 水深の浅い場所ではなく、できれば水深5m以上の場所
※ 魚探は手動感度/手動深度で動作させ、出来ればボートを走行状態でテストしてください。
いろいろな振動子の取付と工事方法
- シリコン接着、インナーハルなど取付方法
- スカッパースルーハルキットでの取付方法はこちら➡スカッパースルーハルキット取付方法
- 一番安全で手っ取り早い取付方法ですが、シリコン部分、船底FRPにより超音波が減衰します。また、50kHzなど低い周波数では大幅に性能が低下します。
- 接着する前に上記を参照の上、場所を決めてから接着してください。
①接着場所をサンダーで軽く擦り凹凸をなくし、パーツクリーナ等で接着面のゴミ、油、水分、汚れをふき取ってください。
②振動子の輻射面にシリコンを盛ります。この時シリコンに気泡が入らない様に気を付けてください。
③振動子を船底の接着面に押し付けます。この時シリコン内の空気を押し出すように密着させます。
④シリコンが硬化するまで、接着位置がずれないように固定してください。(冬場:24時間 夏場:6時間以上)
※シリコンに気泡が入っていると超音波が減衰するため能力が発揮できません。
※振動子は必ず船底にしっかり押し付けてください、シリコン層が厚いと気泡が残ります。
※シリコンの厚さを調整して振動子の水平を保つ方法は、気泡が多く入るため厳禁です。
- 船底のV角が急な船はインナーハルキットで取付ます。
- 接着する前に上記を参照の上、場所を決めてから接着してください。
① 船底の傾斜に合わせて、振動子が水平になるようにインナーハルケース本体をカットします。
②接着場所をサンダーで軽く擦り、パーツクリーナ等で接着面のゴミ、油、水分、汚れをふき取り乾燥させます。
③カットしたインナーハルケース本体を、接着剤で船底に接着します。
④接着剤が乾いたら不凍液を入れ、振動子が船底に当たらない様に取付ます。
※不凍液は最初少量入れ、漏れがないか確認の上、残りを入れてください。
※不凍液は出来るだけ多く入れてください。満タンにすれば船が揺れても液は揺れません。
※不凍液が足りない場合は、真水を足してください。
※インナーハルキットはオプション部品です。
※間違った液体を入れると振動子が破損します。
- トランサム取付はシリコン接着、インナーハル取付に比べ、送受信の超音波ロスがなく高感度です。
※重要なことはボートの船底にならって、船底の角度 船底の高さで取付ます。
※上記を無視すると、高速走行時 船が傾いたり 流木で飛ばされたり、シャワーが上がったりします。正確に言えば高速走行時、振動子が水平になるよう調整します。
※取り付はネジ穴にシリコンを詰めトランサムボードが水を吸わないよう気をつけてください。
魚探の能力が十分発揮できる取付方法です。
特に周波数が低い魚探(50kHz)の場合船底貫通をお勧めします。
- スルーハル取付の例
※必ず造船所などの専門業者に取付工事を委託してください。浸水の恐れがあり危険です。
※プラスチック製の振動子の場合、流木に当り飛ばされない様FRPで補強してください。
※船底金具(キングストン)が用意されている物もあります、お問合せください。
※特にアルミハルに砲金製振動子を取付る場合、電飾による落下など大事故の恐れがあります。専門家と十分打ち合わせてください。
- アルミハルに砲金製振動子を取付た例
魚探のトラブル
- 魚探の映りが悪い、ノイズが入るなどの対処方法
魚探の映りが悪い場合
- 振動子の取付位置を変える
- FRP船にインナーハル取付、シリコン貼り付けの場合1cmずらすと映りが大きく変わることもあります。
(FRPの層間の密着が悪く気泡がある、もしくは補強材が入っている) - ※振動子の位置を変更できるよう、振動子ケーブルは振動子付近でケーブルを束ねておくと良いです。
- FRP船にインナーハル取付、シリコン貼り付けの場合1cmずらすと映りが大きく変わることもあります。
- 船底が汚れている
- 船底が汚れていると、映りが悪くなりますので船底掃除をしてください。
- 船底が汚れていると、映りが悪くなりますので船底掃除をしてください。
- 振動子の底面が汚れている
- 振動子の底面が汚れていると、映りが悪くなりますので、掃除をしてください。
- 振動子の底面が汚れていると、映りが悪くなりますので、掃除をしてください。
- インナーハルの液が減っている
- インナーハルの液が減っていると、映りが悪くなる場合がありますので、減っている場合は、真水を足してください。
※完全にカラの状態の場合、メーカー指定の物をお使いください。
※間違った液を入れた場合、振動子が割れたりします。
- インナーハルの液が減っていると、映りが悪くなる場合がありますので、減っている場合は、真水を足してください。
- 設定を【手動】にしてみる
- 魚探の感度と深度を【手動】にして感度は最大、深度は適切な深度に合わせてみる。
- 魚探の感度と深度を【手動】にして感度は最大、深度は適切な深度に合わせてみる。
- 魚探の設定を確認
- 干渉除去、雑音除去などの機能が適切か確認する。
- 色消し機能が入っていないかを確認する。
- 出力設定が最大になっているか確認する。
- それでもダメな場合…
- 振動子から音が出るか聞いてみる
- 電源を入れた状態で振動子から音が出るかを確認してみる。
- 正常であればカチカチ音がします。
- 音が出ていなければ本体の故障、もしくは本体の故障になります。
※深度設定が自動の場合は、カチカチ音にバラつきがあります。
- 振動子から音が出るか聞いてみる
- 振動子を直接海に海につけてみる
- 振動子を直接海に海につけて確認してください。
※振動子は垂直につけてください。
- 振動子を直接海に海につけて確認してください。
- メニュー初期化をしてみる
- 機種により、メニュー初期化の機能がありますので、実行してみてください。
※設定が工場出荷状態に戻ります。
※機種により、操作方法が異なります。
- 機種により、メニュー初期化の機能がありますので、実行してみてください。
- 全消去してみる
- 機種により、初期化の機能がありますので、実行してみてください。
※製品が工場出荷状態に戻ります。
※航跡やマークのデータも完全に消えますので、ご注意ください。
※地図は消えません。
- 機種により、初期化の機能がありますので、実行してみてください。
以上をやってもダメな場合は、本体の故障か振動子の故障の可能性がありますので、修理に出してください。
修理依頼はこちら➡修理サービス
雑音対策
- 他の航海計器からなるべく離してください。
- 無線機と近い場合、雑音を与える場合があります。
- 同一の周波数の魚探を同時に2台使用すると干渉し、雑音が入ります。
(トリガー同期機能のある場合は同期を取ってください。)
- 配線を見直す
- いいかげんな配線は、雑音や各種トラブルの元になります。
- 船内配線は十分太いものを使用しましょう。家庭用100Vに比べ小型ボートは12Vです。同じ消費電力なら約3倍太い配線が必要です。
- 電源配線をバッテリー直結にして様子を見て、雑音が軽減するようなら実行してください。
- 振動子ケーブルから雑音が入る場合があります。出来るだけ他の配線と離した方が無難です。
- アースの徹底
- アースを徹底することにより雑音が消えることもあります。
(エンジン/シャフト/発電機/各航海計器へアース)
- アースを徹底することにより雑音が消えることもあります。
- その他
- エンジン/シャフト/プロペラ/発電機/各航海計器/インバーター/コンバーター等の問題で、雑音が入ることがあります。それぞれを停止してみて発生元を突き止めて対処してください。
- 振動子ケーブルが傷んだり、振動子コネクターのハンダ不良で雑音が多いことがあります。
※ケーブルの点検、プラグ部分のハンダを点検してください。 - 振動子エレメントが劣化した時雑音が多くなる事があります。劣化を補おうと受信感度を上げるためです。
※振動子の交換が必要です。
その他参考図など
- 振動子のケーブルをカットした場合、下記図のように接続します。